2008年05月09日

その国語力の人を裁判員にしてもいいのですか? 『 その国語力で裁判員になれますか? 』

この本の著者にちょっと疑問あり。
(もう少し)詳しくは後で書くとして、
なぜに、
「これじゃ裁判員制度は実施無理でしょ」
という考えには至らなかったのだろう?

この著者は「裁判員」をぜひやってみたい、と思っているのか?
ま、そういう考えがあってもいいけれど...


その国語力で裁判員になれますか?
著者名:入部明子(著)
出版社:明治書院
出版年:2008.04
ISBN :9784625634048


日本人(まぁ、あえていえば一般人)の
国語力は「裁判員制度」に参加して十分に力を発揮できるほどではない、と。
「裁判員制度」に参加するには、それ相応の
国語力が必要だ、その国語力を一般人がつけらければいけない、
具体的には、というのが続いていく。
まぁ、こういう内容か。

でも、ここで疑問。
一般人の国語力は「裁判員制度」に参加して十分に力を発揮できるほどではない、
というようなことであれば、
普通は、「それで裁判員なんかになれるのか?」とか、
「そんな人が裁判員になって大丈夫か?」
「そもそもそんな人が義務で参加してくる裁判員制度、っておかしくないか?」
などのような考えには至らないのだろうか?

裁判に参加できるほどの国語力のない人を、
むりやり義務だといって指名し、裁判に参加させてしまう、
なおかつ有罪か無罪か、有罪であればどんな刑か、
まで判断させてしまうのですよ。


普通なら ...
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2008年04月15日

守秘義務は... 『 つぶせ!裁判員制度 』 (2)


つぶせ!裁判員制度
著者名:井上薫(著)
出版社:新潮社
出版年:2008.03
ISBN :9784106102547


この本の出だし、は架空の将来の話で始まります。
それに関連することですが、
裁判員制度が実施されて、
裁判員になった場合、
その裁判が終わっても「裁判員だった人」にとっては
「一生ついて回る」問題があります。
その裁判のについては一切口外してはならない、と。
しかも懲役刑を含む罰則付きです。

(参考)
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律全文
http://www.saibanin.courts.go.jp/shiryo/pdf/02.pdf

第七十条
第百八条(以前は第七十九条でしたが、改訂で場所が変わってますね)
を参照。

まぁ、守秘義務は ...
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2008年04月14日

『 つぶせ! 裁判員制度 』

問題ありの裁判員制度、施行の日程も決まったようですが、

裁判員制度、施行は来年5月21日 公判は7月下旬から
2008年04月08日11時31分
http://www.asahi.com/national/update/0408/TKY200804080068.html

うーん、本当に実施していいのか?


つぶせ!裁判員制度
著者名:井上薫(著)
出版社:新潮社
出版年:2008.03
ISBN :9784106102547


元裁判官だった人が書いているだけに
どこに問題があって、
本来裁判で判断を下すにはどんな力(知識、だけじゃないか)が必要か、とか、
解りやすく説明してあると思います。

そもそも、
制度自体が憲法違反、ということのようです。
(他の人のあいだでは異論もあるようですが...)

本当に実施されたらどうなるのか?
やはり無謀だったみたいだから中止しよう、では
済まないらしい。

そうですよね。
裁判員制度で死刑が決まって、
(仮に執行された後で)この制度は問題あるから
裁判員制度中止、が決まって、
その後から冤罪だと解ったら...?

冤罪を生む可能性ってすごく強いんですよね。
法律に詳しくない素人が有罪、無罪、そして量刑をきめるのに
参加するわけだから。
じゃ、裁判官のいうことをおとなくし聞いていれば、って?
それじゃ裁判員なんていなくなって一緒ですよね。
最初から裁判官だけで行えばいい...。

法律を知らない素人が ...
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2008年02月22日

『 橋下弁護士VS光市裁判被告弁護団 − 一般市民が見た光市母子殺害事件 』


橋下弁護士VS光市裁判被告弁護団
著者名:光市裁判を考える有志の会(編集)
出版社:STUDIO CELLO
出版年:2007.10
ISBN :9784863210134


この事件、余りよく知らなかったし、
今でもよく知らないか。

でも、最高裁での出来事は
この本を読む限りでは「弁護団、ちょっと...」と
思いたくなる。

何が正しいのか、事実なのかは
細かいことまでは判断しようがないけれども、
まるで今の政界みたい。

「死刑に反対」という立場がある、それはいいとしても、
そのためにまるで駆け引きのように公判に出ないとか、
言い訳して時期を延ばそうとか、
裁判をそんな駆け引き見たいな扱い方でいいのか、と。

あとは ...
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2008年02月18日

『 サイコーですか?最高裁! 』

次の衆議院選挙は今年? それとも来年?
任期は4年だから来年9月には切れるわけで、
まぁ、そこまでには解散総選挙があるとして...

最高裁判所裁判官の方々、最高裁判所はサイコーですか?


サイコーですか?最高裁!
著者名:長嶺超輝(著)
出版社:光文社
出版年:2007.12
ISBN :9784334975319


その衆議院選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の
国民審査。
でも審査しろといってもどんな人だかさっぱりわからん。

という人が殆どではないでしょうか...?

で、最高裁判所について、
そして最高裁判所裁判官について詳しく解説してある本。

うーん ...
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2007年09月26日

映画「それでもボクはやってない」について

今年、周防正行監督でこのような冤罪事件の
映画がありましたが(実は私見てないのですけれど...)、

(映画についてはこちら)
周防正行監督最新作『それでもボクはやってない』公式サイト
http://www.soreboku.jp/index.html

以下の本を書いたそれぞれの著者が
この映画についての感想を書いているのだけれど、
受けた印象がかなり違うような感じ。
この辺は自身が巻き込まれた「事件」をどう捉えているのかとか、
もうその人のものの見方とかにもよるのだろうけれど、
違いがあること、についてはちょっと目を引いた。

お父さんはやってない
著者名:矢田部孝司(著)
     矢田部あつ子(著)
出版社:太田出版
出版年:2006.12
ISBN :9784778310462



ぼくは痴漢じゃない!
著者名:鈴木健夫(著)
出版社:新潮社
出版年:2004.07
ISBN :9784101012216


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2007年09月26日

痴漢冤罪事件 『 お父さんはやってない 』

痴漢冤罪事件本。
読むのは二冊目。
つい、前回読んだのと比べてしまっているけれど...


お父さんはやってない
著者名:矢田部孝司(著)
     矢田部あつ子(著)
出版社:太田出版
出版年:2006.12
ISBN :9784778310462


ちなみにこちらの方が容疑が重い。
公然わいせつと強制わいせつの容疑。
有罪になればこちらのほうが刑も重い。
で、実際初犯にもかかわらず一審で実刑判決が出てしまったと。
冤罪を主張しているわけなので当然控訴し、
高裁で無罪を勝ち取るわけだけれども、
この本から推測するのでは、
一審はやはりあまり大した審議をしてくれないのだろうか?
前読んだ本では一審は簡易裁判所だったけれども、こちらは地方裁判所。
それでも同じようなものなのか?

この本には判決文が載せられていないので、
実際裁判官が具体的にどう判断したかは分らない。
控訴審を始めるに当たって、のところである程度推測できるけれども...

結局無罪となったわけだけれども、
当初の被害者はどうなったのだろう?
こういう場合お構いなし、なのだろうか?
裁判官の判断はともかくとしても、
この本を読めば証言も曖昧で、仮に犯罪事態はあったとしても
人を勘違いしたとしか思えない。
そういう場合の謝罪はないのだろうか...?
意図的... かどうかまではこの本での追求していないので、
ここでは触れないにしても、
勘違いであれば、被告にされた著者こそ被害者ってことになる。

突然降りかかった ...
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2007年09月11日

『 裁判員制度の正体 』

「裁判員制度」反対の本第2弾。
第2弾... いや、自分が読んだ「裁判員制度」の本二冊目、という意味ですけれど...
この制度は本当に必要なのか?


裁判員制度の正体
著者名:西野喜一(著)
出版社:講談社
出版年:2007.08
ISBN :9784062879033


実施は2009年予定。
それまであと1年半。
昨年の内閣府の調査結果でも、参加に消極的な人が8割近く。
3人に1人が「義務でも参加したくない」。

裁判員制度の特別世論調査(内閣府)の結果
http://tawagoto.hontsuna.net/article/1828792.html

とにかく、2009年から実施予定の「裁判員制度」の
中身、問題点などが書かれてある。

一つ目を引くのは、「裁判員制度」というか、
本職の裁判官でない民間人が裁判に加担することが、
今の「憲法」に違反しているのは、という点。
裁判員が参加する裁判は、本職の裁判官だけで行う裁判と比べて
公平な裁判といえるのか?
これ、殆ど話題になってないのでは?

制度の中身が解説されていくうちに、
いかに無意味な制度が必要とされていないにもかかわらず制定されたか。
ということが分る、と思います。

何度も書きますが、
裁判員制度の対象は、殺人、放火など
刑にすれば死刑になる可能性もある重大事件。
何故重大事件が「裁判員制度の対象」になるのか?
そうしなければいけないのか?

メリット、利点などひとつもなく、
悪影響ばかりが目につく制度。
本当にメリットってあるのだろうか?
裁判官にとっては、「自分の意思だけでなく裁判員も含めた意見で、
被告人に判決が出せること」がメリットでしょうか。

要は裁判官の心理的負担が軽くなること、がメリットかもしれない、
って、あんたたちは自分の意思で司法の道を目指し、
自分の意思で裁判官になったわけでしょ?
自分の判断で刑も宣告できないほど裁判官の質が低下しているのか?

内容のなかには、
「こうなる可能性がある」
ということで、本当にそうなるかは分らないことも
書かれてあるが、実際に起こりうる可能性が高そうなこともありそう。

ちなみに、「第9章 この「現代の赤紙」から逃れるには」、は
この制度に反対の人、参加に消極的な(否定的な)人には必見です。
もしかしたら、2009年までにはこの手の本が
もっと出てくるかもしれません。
posted by Silent Bells at 12:24| Comment(3) | TrackBack(5) | 裁判もの

2007年08月20日

『 裁判官の爆笑お言葉集 』


裁判官の爆笑お言葉集
著者名:長嶺超輝(著)
出版社:幻冬舎
出版年:2007.03
ISBN :9784344980303


ちょっとタイトルに異議あり。
読む人によってさまざまかもしれないけれど、
タイトルにあるほど「爆笑」の発言は少ないか、
殆どないぐらいだった。

裁判官みんながこうなのかは分からないけれど、
単に判決文を淡々と読み上げるだけではない、
そこに付け加える発言とか、
質問のあとにある発言とかが
判決や法律を補うかのように出てくる。
そこに裁判官の人間性が出てくるらしい。

右ページに裁判官の発言。
左のページにその背景にある裁判や事件の解説が載っている。
その解説を読めば、
そんなに突飛なものは載っていないようにも思えた...
posted by Silent Bells at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判もの

2007年06月11日

『 ぼくは痴漢じゃない! − 冤罪事件643日の記録 』

サラリーマン、学生... に限ったことではないか、
満員電車で通勤、通学する者にとっては怖い話。
発端はちょっとした勘違いかもしれないけれど、
それが人生を半分捨てるほどの長い戦いに繋がっていく...。


ぼくは痴漢じゃない!
著者名:鈴木健夫(著)
出版社:新潮社
出版年:2004.07
ISBN :9784101012216


痴漢の犯人と間違えられ、逮捕され、
一審で有罪、控訴して無罪を勝ち取った記録。

第一部は本人自らの手記。
第二部は担当した弁護士による解説。
最後に一審、二審の判決文あり。
この判決文、二審(つまり高裁での逆転無罪の判決)の理由が長い。
まぁ、逆転無罪と判断するに至ったことを全部書いているのだから、
こんなものなのかな、とも思えるけれども、でも長い。
それに比べると一審の判決文は非常に短い。
この2つを比べれば、いかに一審でろくに審議していないか、と
いうのが分かるような気がする。
誰もがそう思うのではないか...?

本当に痴漢をしたとか、痴漢詐欺とかは論外として、
この本にあるような犯人に間違えられた、というのは
いつ自分の身に降りかかってこないとも限らない。
多分誤認した被害者の方にも言い分はあるのだろうけれど、
間違えられたほうはたまったものではない。
それこそ間違えられた方が被害者。

第二部に書かれてある「逮捕」については、
別に痴漢事件とかに関係なく知っておいた方が良いと思う。
とくに現行犯逮捕、準現行犯逮捕(← これまぎらわしい)、
現行犯逮捕、準現行犯逮捕では私人逮捕が可能なこと。
で、警察がそれに乗っかって公正な捜査していない、
検察、裁判官もつながっている、となると、
逮捕 → 起訴 → 有罪
の流れにそのまま流されてしまう。

痴漢は大きな社会問題としても、
それで冤罪が大量に出ているとしたら
それも大きな問題。
警察には思い込みとか点数稼ぎで捜査をしてもらいたくはない...。
posted by Silent Bells at 01:29| Comment(2) | 裁判もの

2007年04月22日

「裁判員制度」の呼び出し免除期間

もうひとつ裁判ネタ(しつこい?)。

多忙期は裁判員に呼び出さず…年2か月免除を最高裁が検討
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070421i101.htm
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 2009年に始まる「裁判員制度」に参加する裁判員の選任手続きで、特定の期間だけ参加が難しいという裁判員候補者に対し、年2か月を上限とする呼び出し免除期間を設ける方向で、最高裁が検討していることが分かった。

 昨年10月から今年2月に約5600人を対象に行ったアンケート調査の結果を踏まえたもので、国民の負担を軽くする一方、なるべく多くの候補者を確保するには年間2か月程度が妥当と判断した。

 最高裁が昨年11月に公表した選任手続き案では、毎年、選挙人名簿から1年分の候補者(約37万人)をくじで選んだ後、全員に「調査票」を送付し、〈1〉農繁期や企業の決算期など特定の期間だけ参加困難〈2〉重病で年間を通じて参加できない――などの事情を把握。個別事件の候補者になった段階で、それぞれの事情に応じて呼び出しを免除するとしていた。その際、参加困難な「特定の期間」をどこまで考慮するかが検討課題となっていた。
(以下省略)
------------------------------------------------------------------------------------


〈1〉、〈2〉両方に当てはまらなくても参加困難な人もいるだろうし、
それでなくても「参加したくない」人もいるだろうし、
選任手続きもすごくややこしいものになりそう。
何でこんな制度を義務にするかな...。
「国民の負担を軽くする一方...」って、
別に選任された人の負担が軽くなるわけじゃなし。
制度を決めてからアンケート調査?
で、選任手続きの案を後付けでごちゃごちゃ考える。
いかに「国民の意志なしに勝手に決められた制度」なのかがよく分かる...。

『 裁判員制度はいらない 』 ... 本当に要らない!!


裁判員制度はいらない
著者名:高山俊吉(著)
出版社:講談社
出版年:2006.09
ISBN :9784062136006


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2007年04月21日

『 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 』


裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
著者名:北尾トロ(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.04
ISBN :9784163675602


本当に『 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』の続編、というか
そのまま続きを読んでいるような感じがする。
前編と違うのは、「明らかに傍聴慣れしている」というのが
文章からもわかること。
『 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』の方は、
何もわからないところから始めた、という感じがあったから。

あと似顔絵も前編より上手くなっていますね。
なんだか、同じ人が書いたとは思えないようなものも...

厳粛でなさそうな、
何かドロドロした世界にもみえるし、
事務的でやる気のない裁判官というのは困った存在だろうし、
犯罪を犯した人の心理ってこうなのか、というのも分かるような...
(もっとも、裁判の最中だから被告だからといって有罪とは限らないけれど)

で、裁判といえば ...
posted by Silent Bells at 22:53| Comment(1) | TrackBack(1) | 裁判もの

2007年04月20日

読み始め 『 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 』


裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
著者名:北尾トロ(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.04
ISBN :9784163675602


大体の?予想通り、
『 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』の続編。

が、著者が裁判の傍聴を始めだしたばかりのところから
かかれてある前作とはちょっと違って、
何か裁判慣れ(傍聴慣れ?)したような書き出し。

この後の内容が前作とどう違ってくるだろうか...。

(読了)
『 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 』
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2006年11月27日

『 裁判官はなぜ誤るのか 』 どこに問題点がある?

冤罪事件は何故起こるのか?
何故、裁判官は事件の真実を見極められないのか?
何故誤った判断で判決を下すのか?


裁判官はなぜ誤るのか
著者名:秋山賢三(著)
出版社:岩波書店
出版年:2002.10
ISBN :4004308097


裁判官を25年ほど務め、
その後、弁護士として活動する著者の経験の上で書かれた本。

裁判官が、いかに世間から切り離された生活を送っているか、
いかに世間の事情に疎いか、ということが想像できる。
ただ、当の本人にはそんなことの自覚がない。
著者も弁護士になってからはじめて実感したことが
あるようだ。
「裁判官って被告や弁護士からはこういう風に見えるのか」
など。(ひと言で簡単に書いてしまいましたが...)

現在の司法の仕組み自体に問題があるようで、
その問題を裁判官が認識していないのか、
気付いていても改善する意志がないのか、
このままでは、検察の調書を鵜呑み(とはいかないまでも調書を重視)にして、
被告、弁護側の主張を軽視しがちな点はずっと変わらない...

裁判官を純粋培養することに問題があるようだ。
「その道(裁判官)」しか知らないことで、本当に事件の判断を下せるのか?
また、裁判官と検察官が同質化している、と指摘しているようなので、
やはり本書にも書いてあるように、
少なくとも弁護士を経験したものから裁判官を選ぶ、という
ことも真剣に考えた方がいいと思う。

なお、本書においては「裁判員制度」については、
冤罪の起こりやすい重大事犯について、冤罪を誘発する原因となる、
と懸念している。
ただ、本書は「裁判員制度」の法律が可決する前に書かれた本なので、
制度化されたことについては触れられていないことには注意。
裁判員制度にそれ程ページが割かれてあるわけではないが、
それでも、問題点については簡単ながらも指摘されてあると思う。

実際に裁判官を経験した人からの意見、として
読んでみてもいいと思います。
posted by Silent Bells at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判もの

2006年11月08日

『 冤罪の構図 』 警察が、裁判官が「犯罪者」を創作する...

警察、検察、裁判官はどこまで信用できるのか...?

冤罪の構図
著者名:江川紹子(著)
出版社:新風舎
出版年:2004.08
ISBN :4797494263


一連のオウム事件報道でおなじみの著者による書物。
冤罪の実例が9例紹介されている。
警察、裁判官によって冤罪が作り出される過程、
何故冤罪事件が起こるのか、を検証する内容。

刑事裁判で自白が重要視される、というのがそもそもの問題点。
そこから、
→ 警察も検察も当然自白を重要視する
→ とにかく自白を取れ、ということになり、強引な取調べが行われる
という流れになってしまう構図がよく分かる。

日本の警察がどこまで信用できるのか、
このような強引な取調べはどのぐらいの頻度であるのか、
そういうことまではこの本では分からない。
けれど、日本の警察にはそういう体質がまだ残っている、
検察も裁判官も公正でない部分がある、
ということは残念ながら事実のようで...。

しかし何故このように、どう見ても明らかにおかしいような
捜査、取調べが起こるのだろうか?
警察の体質?
公務員の体質?

市民の目から犯罪を裁けるように、など理由をつけて
裁判員制度が2009年(平成21年)に
始まることになっているようだけれど、
その前に、まだやるべきこともあるのでは?

一時、学校の教師の考え方が実社会とかけ離れているとかで、
一度は会社に就職するなどして実社会を知ってから
教師をやれば、... というような議論があった気もするけれど、
警察、検索、裁判官など司法に携わる人も、
一度ぐらいは普通のサラリーマンを経験した方が
いいのではないだろうか...?
posted by Silent Bells at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判もの

2006年10月06日

『 裁判員制度はいらない 』 ... 本当に要らない!!

前に「事件を起こした方はもちろん問題としても、
取り調べる側、裁く側にも何か問題があるのでは?」
というようなことを書いたけれど、

『 オウム事件はなぜ起きたか 上巻 − 魂の虜囚 』

どうも「裁判員制度」を導入しても、
それが改善されるどころか、かえって混乱するか悪くなる可能性が高いようです。

裁判員制度はいらない
著者名:高山俊吉(著)
出版社:講談社
出版年:2006.09
ISBN :4062136007


「裁判員制度」に反対する、という内容。

「憲法違反の裁判員制度は、「軍国主義への一里塚」だ。」と帯に書いてある。
軍国主義へ、の道を辿っていることと関係しているのかまでは疑問、
というか、よくわからない。
が、「裁判員制度」には憲法とは矛盾することがいくつもあるらしい。

他人事でない話。
「自分には関係ない。まず選ばれないだろう」と
安心しきっている人は、この本を読んでみた方がいいかな、と思います。
軍隊ではなくて裁判員だけれども、
まるで「赤紙」で召集された戦前の徴兵制のような感じ。


以下、本の内容とはちょっと離れてしまいますが、
裁判員制度について、調べてみました。

トップページはここ。
裁判員制度

裁判員制度に関する法律の全文はここ。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律全文


以下、気になるところ。


導入の理由
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/reason.html
国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより,裁判が身近で分かりやすいものとなり,司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア等でも行われています。


この本によると、国民が裁判に参加する制度であっても、
他国とは随分仕組みは違うようだ。
それも「悪い方向」に違うところが怖い。


裁判員制度の対象となる事件
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/event.html
代表的なものをあげると,次のようなものがあります。

1. 人を殺した場合(殺人)
2. 強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
3. 人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
4. 泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
5. 人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
6. 身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
7. 子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)


要するに、殺人などの凶悪事件が対象になるらしい。


裁判員制度が導入されることで,どのようなことが期待されているのですか。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c1_2.html
裁判員が参加することにより,裁判官,検察官,弁護人とも,まず国民に分かりやすく,迅速な裁判とするように努めることになります。また,法律の専門家が当然と思っているような基本的な事柄について,裁判員から質問や意見が出されることによって,国民が本当に知ろうと思っているのはどういう点なのかということが明らかになり,国民の理解しやすい納得のいくものになると思われます。
一言でいうと,裁判の進め方やその内容に国民の視点,感覚が反映されていくことになる結果,裁判全体に対する国民の理解が深まり,司法が,より身近なものとして信頼も一層高まることが期待されています。


どういうこと?
「裁判全体に対する国民の理解が深まり,司法が,より身近なものとして信頼も一層高まることが期待されています」であれば、
なぜ「凶悪事件」が対象なのか?
それであれば、もっと軽犯罪とか、民事裁判が対象の方が余程納得できる。

裁判官が「凶悪事件」の判決を決定することの責任から逃れたいだけじゃないの?


法律の専門家でない国民が加わると,裁判の質が落ちたり,信頼が損なわれたりしないでしょうか。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c1_4.html
そのようなことはありません。
法律的な判断はこれまでどおり裁判官が行いますし,必要な場合には裁判員のみなさんにもご説明します。
裁判員のみなさんには,「事実認定」と「量刑」について判断していただきます。これについては,法律的な知識は必要ありません(「法律を知らなくても判断することはできるのですか。」のQ&Aを参照してください)。
さまざまな人生経験を持つ裁判員と裁判官が議論することで,これまで以上に多角的で深みのある裁判になることが期待されます。


よく分からん。
「事実認定」の判断はともかく、
法律も知らないのに「量刑」の判断なんて出来るわけないでしょ。
こういう状況だと懲役4年... とか、素人が判断できると本当に考えているのだろうか?
せいぜい出来るのは「有罪か無罪」の判断ぐらいだと思う。


裁判員候補者として呼出しを受けたにもかかわらず,裁判所に行かないと,罰せられるのですか。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c3_21.html
正当な理由もなく裁判所に来られない場合には,10万円以下の過料に処せられることがあります。


ということは、言い換えれば10万円払えば拒否できるってこと?
お金持ちだと実質拒否できるんだね。


裁判員は法廷内で顔を見せずに裁判をすることができますか。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c6_8.html
裁判員は,公開の法廷で行われる裁判の手続や尋問される証人の証言している様子を見て,判断していただきますので,顔を見せずに裁判をするとはできません。


すごい矛盾した内容。
「裁判員の名前や住所といった情報は,何人も公にしてはならないとされています。」
とか書いてあるけれど、ふつう裁判て公開裁判で傍聴できますよね。
じゃ、傍聴人には裁判員が誰か分かってしまうのでは?
それとも、裁判員が参加する裁判は非公開なのだろうか?
傍聴に関しては記述が見当たらない。どうなのだろう?


http://www.saibanin.courts.go.jp/shiryo/pdf/02.pdf から抜粋
第六十六条 第二条 第一項の合議体における裁判員の関与する判断のための評議は、構成裁判官及び裁判員が行う。
2 裁判員は、前項の評議に出席し、意見を述べなければならない。
3 裁判長は、必要と認めるときは、第一項の評議において、裁判員に対し、構成裁判官の合議による法令の解釈に係る判断及び訴訟手続に関する判断を示さなければならない。
4 裁判員は、前項の判断が示された場合には、これに従ってその職務を行わなければならない。


裁判員には、拒否権とか黙秘権はないの?
「意見を述べなければならない。」って、
最後まで「よく分かりません」で押し通したらどうなるのかな?


裁判員の仕事や役割
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/work_and_role.html
裁判員としての役割は,判決の宣告により終了します。


うそ。
終わらないですよね。
以下を参照。


第七十条 構成裁判官及び裁判員が行う評議並びに構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたものの経過並びにそれぞれの裁判官及び裁判員の意見並びにその多少の数(以下「評議の秘密」という。)については、これを漏らしてはならない。

第七十九条 裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  裁判員又は補充裁判員の職にあった者が次の各号のいずれかに該当するときも、前項と同様とする。
 一 職務上知り得た秘密(評議の秘密を除く。)を漏らしたとき。
 二 評議の秘密のうち構成裁判官及び裁判員が行う評議又は構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたもののそれぞれの裁判官若しくは裁判員の意見又はその多少の数を漏らしたとき。
 三 財産上の利益その他の利益を得る目的で、評議の秘密(前号に規定するものを除く。)を漏らしたとき。
3  前項第三号の場合を除き、裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、評議の秘密(同項第二号に規定するものを除く。)を漏らしたときは、五十万円以下の罰金に処する。
4  裁判員又は補充裁判員が、構成裁判官又はその被告事件の他の裁判員若しくは補充裁判員以外の者に対し、当該被告事件において認定すべきであると考える事実若しくは量定すべきであると考える刑を述べたとき、又は当該被告事件において裁判所により認定されると考える事実若しくは量定されると考える刑を述べたときも、第一項と同様とする。
5  裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、構成裁判官であった者又はその被告事件の他の裁判員若しくは補充裁判員の職にあった者以外のに対し、当該被告事件の裁判所による事実の認定又は刑の量定の当否を述べたときも、第一項と同様とする。


要するに、裁判員として参加したら、そこで知りえた情報を
秘匿する必要があるのです。
ご丁寧に、話すと罰則までついてくる。
裁判員に指名されて、自分が懲役刑を受けることになれば
たまったものじゃないですね。

いつまで秘匿する必要があるかって?
書いてないのです。
ということはずっと? 死ぬまで秘匿しろと?
間接的には、だけど、
「裁判員としての役割は、一度指名されたら死ぬまで続く」ということでは?


なんだか、
「裁判官が楽をしたい」
「判決の責任を国民に押し付ける」
それだけの制度のような感じ。
これが本当に施行されるのか?
posted by Silent Bells at 03:12| Comment(7) | TrackBack(6) | 裁判もの

2006年09月26日

『 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』 裁判所の実態は...

裁判を傍聴することにはまった著者が、
傍聴席から見た法廷の実態。


裁判長!ここは懲役4年でどうすか
著者名:北尾トロ(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2006.07
ISBN :4167679965


平成21年5月までには裁判員制度が始まる、というし、
(参考) http://www.moj.go.jp/SAIBANIN/
実際の裁判がどんなものか、少しでも知りたい、
という分には一度読んでみることをお勧めします。

まぁ、そんな堅く考えなくても
ちょっとした人間模様の読み物、としても楽しめるかも。
(内容が内容だけに、楽しめるという言い方が不謹慎かもしれないけれど)

どろどろした内容で全面争いになる法廷。
そうかと思えば、やるきのなさそうなというか、
早く終わらせたそうな雰囲気のある法廷。
必至で執行猶予を勝ち取ろうとする被告。
検察の主張に真っ向から対決する弁護士。
その気迫に押される裁判官...。
人間関係の渦巻く世界に溢れている法廷の世界。
被告に親兄弟など親族か加わって証言台に立つと、
この家庭はどういう道を歩んできたのか、まで想像できてしまう。
法廷で扱われる事件の内容はともかくとして、
裁判官や検索官も、また被告や弁護士も人間なんだと思わせる所あり。
裁判所の雰囲気(というか実態)を味わうには分かりやすい本かも。

ひとつ著者の記述で引っかかった部分。
児童売春の公判を傍聴した後の著者の記述。
「スーツにネクタイでビシッと決めたビジネスマンの中に、
児童を買う男立ちが潜伏しているのだ。そして、その数はアナタが想像するより
はるかに多いのではないか、とぼくは思う。」
まぁ、裁判所ってそういう事件の集まる場所ですからね...。

ちょっと裁判とは関係ないが、
自分がある病気で手術をするため入院したときのこと、
普段あまり聞かない(と思い込んでいた?)病気だったのに、
その病院では同じ病状の患者ばかり。
「実はこの病気、自分が今まであまり聞いたことがないだけで
結構多いのでは」と思った。
そういう感覚と似ているのでしょうか?

本当のところ、どうなんだろう。
私は今まで裁判所にはいったこともない。
(傍聴もしたことないし、ましてや被告や原告としても)

(続き)
posted by Silent Bells at 03:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 裁判もの