「非正社員」についての本。
それも「偽装請負」。
れっきとした違法行為です...。
偽装請負 著者名:朝日新聞特別報道チーム(著)
出版社:朝日新聞社
出版年:2007.05
ISBN :9784022731432
「偽装請負」といわれる行為が、
大手メーカーの工場でさも当たり前のように行われている。
目次は以下のとおり。
プロローグ 若者の死が意味するもの
第1章 キヤノン「偽装請負」工場
第2章 松下の超奇策
第3章 巨大請負会社の盛衰
第4章 偽装請負が「安全」を脅かす
第5章 脱「合成の誤謬」へ
この本は「偽装請負」について、特に「製造業」について
書かれてあります。
(おそらく他の業種でもあるのだろうけれど)
「偽装請負」とか何か、についても最初の方に解説があります
(ここでは説明は省略します)。
最初にも書いたように、違法行為に当たります。
最初にいきなり、某メーカーで「偽装請負」で使用されていた
技術者が自殺した、という入り方をするので結構インパクトあるかも。
そして、メーカーが人件費を減らすために正社員を減らし、
いかに自身に都合のよい人員調達方法を編み出してきたか、が
延々とかかれてあります。
(第1章、第2章の二社の場合について)
で、メーカーも請負会社も
官庁からの指導が入った場合には、
「知らなかった」
「努力していたが改善できていなかった」
とか言い訳するのですね。
たぶん嘘だろう。
知っていて「確信犯のように」行っていたのでは?
この本を書いた取材班が追求すると、
「就職氷河期」で就職できない人達の受け皿になったとか、
工場の海外流出を食い止められた、とか、
自分たちの行為を正当化するのですね。
本文には、
「メーカーは本当の請負に必要なコストを人材会社に払いたくない。偽装請負はいいとこ取りができる」
「必要なときに必要なだけ労働者を使いたい。それも、雇用や安全上の責任・義務を逃れる形で、安価に」など、メーカーや請負会社の本音と思われるようなことが出てきますね。
こういうことが続けられてきた結果が、
今の「景気回復」、
「企業の業績は回復したけれども、労働者の生活は改善していない、
改善どころか苦しくなっている」
「景気回復といわれても実感がない」
というところへ来ているのだと思います...。
(さらに追記)
ひとつ書くのを忘れていました。
この本ではかかれてないですが、
最近、企業の内部データが流出する事件が後をたちません。
理由のひとつには、USBメモリなど、データを簡単に持ち出せるようになった
つまり「技術の進歩」が裏目に出た、という点があると思います。
が、もう一点、企業が正社員を減らしている点も大きいのではないでしょうか?
派遣にしろ、偽装請負にしろ、
企業の社員ではありません。
だから、作業をしている企業に対しての愛社精神... というのは変かな、
モラルというか、そういう点が低いのではないでしょうか。
派遣社員が辞めた後、データ持ち出しが発覚したケースもあるようです。
(もちろん全員がそうだとは言いません、この本に載っているように
この企業でがんばりたい、だから正社員にして欲しい、
という人もいると思います)
企業が健全な体質を維持するには、
長期的にみれば正社員で構成するほうがいいはずだと思います...。


TBさせていただきました。
私は就職氷河期世代の日雇い派遣労働者なので
実感を伴う怒りとともにこの本を読みました。