満員電車で通勤、通学する者にとっては怖い話。
発端はちょっとした勘違いかもしれないけれど、
それが人生を半分捨てるほどの長い戦いに繋がっていく...。
ぼくは痴漢じゃない! 著者名:鈴木健夫(著)
出版社:新潮社
出版年:2004.07
ISBN :9784101012216
痴漢の犯人と間違えられ、逮捕され、
一審で有罪、控訴して無罪を勝ち取った記録。
第一部は本人自らの手記。
第二部は担当した弁護士による解説。
最後に一審、二審の判決文あり。
この判決文、二審(つまり高裁での逆転無罪の判決)の理由が長い。
まぁ、逆転無罪と判断するに至ったことを全部書いているのだから、
こんなものなのかな、とも思えるけれども、でも長い。
それに比べると一審の判決文は非常に短い。
この2つを比べれば、いかに一審でろくに審議していないか、と
いうのが分かるような気がする。
誰もがそう思うのではないか...?
本当に痴漢をしたとか、痴漢詐欺とかは論外として、
この本にあるような犯人に間違えられた、というのは
いつ自分の身に降りかかってこないとも限らない。
多分誤認した被害者の方にも言い分はあるのだろうけれど、
間違えられたほうはたまったものではない。
それこそ間違えられた方が被害者。
第二部に書かれてある「逮捕」については、
別に痴漢事件とかに関係なく知っておいた方が良いと思う。
とくに現行犯逮捕、準現行犯逮捕(← これまぎらわしい)、
現行犯逮捕、準現行犯逮捕では私人逮捕が可能なこと。
で、警察がそれに乗っかって公正な捜査していない、
検察、裁判官もつながっている、となると、
逮捕 → 起訴 → 有罪
の流れにそのまま流されてしまう。
痴漢は大きな社会問題としても、
それで冤罪が大量に出ているとしたら
それも大きな問題。
警察には思い込みとか点数稼ぎで捜査をしてもらいたくはない...。


事件にあって思ったのは、司法そしてこの国の不実です。学校で散々教え込まれた「正義と忠誠」とは一体なんだったのか?役人支配のこの国で忠実な奴隷になるための躾け。そう気がついたのは大きい事でしたが、既にシステムは出来上がっていて、抗いきれない事が解りました。また今更、自分が役人を目指すのもお門違い、それよりは聖書を選んだ、という次第です。
現在の所、その選択で正解だったように思います。
結局たてまえというか、
実社会はそんな奇麗事じゃないといえそうですね。
無実の人が簡単に有罪にされる、
本当はあってはいけないはずだけれど、
警察って、結構単に罪の重さ、というか
懲役××、とか罰金いくら、という数字だけが
捜査の基準になっているようにも見えます。
警察から見れば、罰金5万円であれば、
交通違反も痴漢も同じ扱い。
だからやっていなくても「認めればすぐに終わるから」なんて
簡単に言ってしまうのかな、と、そんなふうに想像されます。