2006年12月01日

『 増税も改革も必要ない! − 誰がウソをついているのか 』

さらば、
小泉前首相、ホリエモン、村上ファンド、福井日銀総裁
この人たちがいなくなったら景気は回復する!!
(本の帯から)

批判のターゲットははっきりと明記してあるのだけど...


誰がウソをついているのか
著者名:森永卓郎(著)
出版社:ビジネス社
出版年:2006.09
ISBN :4828412859


読んでも、どうもしっくりこない。
はじめに、で 「小泉改革は何を残したのか」とある通り、
小泉政権に対しての批判を書こうとした、と思われるのだが、
具体的なことになっていくと何か矛盾点が見えてくる、と思える。

年収300万から500万ぐらいが望ましい、とか書いてあるのに
増税の計算の前提が年収700万とはどういうこと?
しかも標準的な家庭モデル、専業主婦と子供二人という想定がしてある。
この想定だと夫一人で年収700万。
今、そんな家庭は日本にどれぐらいあるのだろうか?

日銀の政策で、地価の下落が悪のようにも書いてあるけれども、
もともとバブル期に異常に上がり過ぎた地価。
下がって当たり前なのではないのだろうか?
地価下落で損するのは、「バブルに浮かれた者のツケ」だと思う。
いずれ元の正常な価格に戻さなければならないわけだし...

就業構造基本調査の期間が1997年から2002年だとか、
貧困率(OECD ※ の調査)の比較が1980年代半ばと2000年とか、
所得格差は1980年代から拡大を始め、とか、
会社の仕組みがこの10年で悪化したとか、
なにか、少なくとも小泉政権とは外れてるのでは?
と思えるようなことが見えてくる。

※ OECD
(参考)経済協力開発機構 - Wikipedia

個々の数字は正しい、という前提で考えても
これを全て小泉政権に結びつけるのはちょっと強引?
まぁ、こういう悪化した状況に対して、
「小泉政権が正しい政策を行わなかった」と言うのであれば、
まだ分かるような気もするのだけれど...

書いてあることを1つ1つ見ていけば、
正論なのかな、と思えることもあるのだけれど、
何か全体としてしっくりこない。
おそらく、書いていることの原因を
ごく僅かの人達に求めているところに問題があるのかな、と。

小泉前首相、ホリエモン、村上ファンド、福井日銀総裁
この人たちがいなくなったら景気は回復する!!

本当にそうか?
「この人たちがいなくなったら景気は回復する」
そんな簡単なものだろうか?

「このようなタイプの人たちがいなくなったら景気は回復する」
だったら分かるような気もする。
多分該当する人ははるかに多いはず。
それこそ、政界とか官僚なんか殆ど入れ替え、ぐらいの
事を行わない限り構造なんて変わらないと思う。

根はもっと深いのではないだろうか...。

デタラメが書いてある本だとは思えないのだけれども、
少なくとも内容とタイトル、帯のコピーが一致してない。
そういう違和感はありました。

なんだか脈絡のない文章になってしまったかも...。
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posted by Silent Bells at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治もの
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