2006年11月27日

『 裁判官はなぜ誤るのか 』 どこに問題点がある?

冤罪事件は何故起こるのか?
何故、裁判官は事件の真実を見極められないのか?
何故誤った判断で判決を下すのか?


裁判官はなぜ誤るのか
著者名:秋山賢三(著)
出版社:岩波書店
出版年:2002.10
ISBN :4004308097


裁判官を25年ほど務め、
その後、弁護士として活動する著者の経験の上で書かれた本。

裁判官が、いかに世間から切り離された生活を送っているか、
いかに世間の事情に疎いか、ということが想像できる。
ただ、当の本人にはそんなことの自覚がない。
著者も弁護士になってからはじめて実感したことが
あるようだ。
「裁判官って被告や弁護士からはこういう風に見えるのか」
など。(ひと言で簡単に書いてしまいましたが...)

現在の司法の仕組み自体に問題があるようで、
その問題を裁判官が認識していないのか、
気付いていても改善する意志がないのか、
このままでは、検察の調書を鵜呑み(とはいかないまでも調書を重視)にして、
被告、弁護側の主張を軽視しがちな点はずっと変わらない...

裁判官を純粋培養することに問題があるようだ。
「その道(裁判官)」しか知らないことで、本当に事件の判断を下せるのか?
また、裁判官と検察官が同質化している、と指摘しているようなので、
やはり本書にも書いてあるように、
少なくとも弁護士を経験したものから裁判官を選ぶ、という
ことも真剣に考えた方がいいと思う。

なお、本書においては「裁判員制度」については、
冤罪の起こりやすい重大事犯について、冤罪を誘発する原因となる、
と懸念している。
ただ、本書は「裁判員制度」の法律が可決する前に書かれた本なので、
制度化されたことについては触れられていないことには注意。
裁判員制度にそれ程ページが割かれてあるわけではないが、
それでも、問題点については簡単ながらも指摘されてあると思う。

実際に裁判官を経験した人からの意見、として
読んでみてもいいと思います。
posted by Silent Bells at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判もの
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