何故、裁判官は事件の真実を見極められないのか?
何故誤った判断で判決を下すのか?
裁判官はなぜ誤るのか 著者名:秋山賢三(著)
出版社:岩波書店
出版年:2002.10
ISBN :4004308097
裁判官を25年ほど務め、
その後、弁護士として活動する著者の経験の上で書かれた本。
裁判官が、いかに世間から切り離された生活を送っているか、
いかに世間の事情に疎いか、ということが想像できる。
ただ、当の本人にはそんなことの自覚がない。
著者も弁護士になってからはじめて実感したことが
あるようだ。
「裁判官って被告や弁護士からはこういう風に見えるのか」
など。(ひと言で簡単に書いてしまいましたが...)
現在の司法の仕組み自体に問題があるようで、
その問題を裁判官が認識していないのか、
気付いていても改善する意志がないのか、
このままでは、検察の調書を鵜呑み(とはいかないまでも調書を重視)にして、
被告、弁護側の主張を軽視しがちな点はずっと変わらない...
裁判官を純粋培養することに問題があるようだ。
「その道(裁判官)」しか知らないことで、本当に事件の判断を下せるのか?
また、裁判官と検察官が同質化している、と指摘しているようなので、
やはり本書にも書いてあるように、
少なくとも弁護士を経験したものから裁判官を選ぶ、という
ことも真剣に考えた方がいいと思う。
なお、本書においては「裁判員制度」については、
冤罪の起こりやすい重大事犯について、冤罪を誘発する原因となる、
と懸念している。
ただ、本書は「裁判員制度」の法律が可決する前に書かれた本なので、
制度化されたことについては触れられていないことには注意。
裁判員制度にそれ程ページが割かれてあるわけではないが、
それでも、問題点については簡単ながらも指摘されてあると思う。
実際に裁判官を経験した人からの意見、として
読んでみてもいいと思います。

